佐倉ユウナの対談(新古品)
どうもこんばんは、ミタヒツヒトです。

そんなわけで本日は、7月に行われた対談のお蔵出しをやろうかなと思います。

■その前に

「佐倉ユウナの上京・上」について発生しておりました、アドオンが購入不可能になるバグですが、無事解決を致しましたので、昨日に引き続き、ここで報告をさせて頂きます。
また、お詫びの代わりに一部アドオンを無料で提供させて頂いておりますので、この機会にどうかお試し頂ければ幸いです。
詳細は、昨日の記事をご覧ください

この度は、ご期待に応えることができず、誠に申し訳ございませんでした。

■本題に入ろう

そんなわけで皆さま、今日は対談の記事であります。
対談とは言っても、「それって何の対談じゃい」と思われることでしょう。
この対談は今年の6月だか7月だかに出る予定だった「佐倉ユウナの上京・春 for iPhone」が出る直前に行った対談で、「もうすぐ上京・春for iPhoneが出ます」という体で収録されております。

しかしながら割りといい感じに今で通用することを言っていて「なるほどいいコト言ってんなぁ」と思ったり「プププこいつら自分らがリジェクトされるとか全く考えてねぇワロチwwwww」とか面白かったのでここで公開することにしました。

■ちょっと注意点

ということなので、今の事情からはちょっとズレたことを言っていたり「夏」以降の制作について触れておりませんがそれは呆けているわけでなく、本当に当時、存在していなかったということなのです。
微妙なことになっている部分もありますが、「まぁ半年前だしな」で流して頂ければ幸いです。

そういうわけでいッてみよう!
バックトゥ半年前ッ!!!

■以下、半年前。

ミタヒツヒト
本日はお集まり頂きありがとうございます。
今日は、「佐倉ユウナの上京・春」完成に際して、ちょっとインタビュー兼対談をやってみよう、ということで、お二人をお招きしています。
お二人というのは、
「佐倉ユウナの上京」シナリオ担当の「蜂八憲」さんとイラスト担当の「山本すずめ」さんです!
お二人にお話を聞くのは、企画やディレクションにかかわらせて頂きました、ミタヒツヒトでございます。
お二人とも、今日はよろしくお願いします。


山本すずめ
よろしくお願いしますっ!


蜂八憲
よろしくお願いします!




ミタヒツヒト
今作について、ちょっと振り返りたかったんですよ。
ここまでも長かったし、これからも長い企画ですしね。
さてさて、先程も簡単に述べさせて頂きましたが、お二人はどんな役割をこなされたのか、それぞれご説明いただけますでしょうか。


蜂八憲
はい。では僕、蜂八の方から。


ミタヒツヒト
よろしくお願いします。


蜂八憲
はじめまして、蜂八憲です。今作『佐倉ユウナの上京』では、シナリオを担当させて頂きました。
超水道に入った経緯ですが……。1年ほど前でしょうか。超水道シナリオライター募集のおり、超水道ファンの友人が僕を推薦してくれまして。
それがきっかけで、シナリオ執筆のお話を頂いて、今に至ります。


ミタヒツヒト
そうでしたね。もう、ずいぶん前に感じます。


蜂八憲
懐かしいですね(しみじみ


ミタヒツヒト
では、山本すずめさんの方も。


山本すずめ
はい。


山本すずめ
超水道でイラストをメインに担当している山本すずめです。
今作『佐倉ユウナの上京』でも同じくイラストと、あとスクリプトを担当させていただきました。


ミタヒツヒト
いつもながら2つも担当を抱えてよく頑張ってくれていると思います。お疲れ様です。


山本すずめ
いえいえ。お疲れ様です!
今作に関しては、制作の初期の初期に「他のイラストレーターさんを選ぼうか」みたいな話もあったような気がするんですが、自分にやらせてもらいたいと言った記憶がありますので。


ミタヒツヒト
そんなこともありましたね…
開発が長いので、初期のことはもはやおぼろげですね。シナリオを書き始めたのは、いつごろのことだったんだっけ。


山本すずめ
ずいぶん前だったような…


蜂八憲
一年前ってさっき言いましたが、実際は2年前でしたね
2年前の秋です。


ミタヒツヒト
ながい…


蜂八憲
僕が大学4年生で、絶賛就活中だった頃ですね


ミタヒツヒト
超水道の歴史がだいたい4年強なので、割合多いな…


蜂八憲
そこから打ち合わせ等々、余裕をもってスケジュールを組んで頂けて、去年の秋に完結しましたね


山本すずめ
長い年月を超えてこうして形になるのは、とても感慨深いですね


ミタヒツヒト
そこからが長くなってしまって、蜂八さんにはよくわからないプレッシャーをおかけして申し訳ない…


蜂八憲
いえいえ。
むしろ、そこからまた時間を置くことで、
他のことを勉強したり、新しいシナリオを書いたりと
色々な試みができましたので、とても有意義でした。


ミタヒツヒト
原稿、最後の最後まで手直しされていましたね…


蜂八憲
そうですね…
現実の事情と、物語内での事情が変わった点もところどころあって
それの手直しもありましたね。
交通ICカードの件とかね…




山本すずめ
ありましたね…


ミタヒツヒト
ありましたね…


蜂八憲
各地域のICカードが全国で使用可に!
すげえ嬉しい!あれっ、でも作中のシーンが成立しないぞこれ!!


ミタヒツヒト
どこがどう変わったのか、みなさん想像しながらお読みください。


山本すずめ
結構好きなエピソードだったので残念でした。。。


蜂八憲
そんな点にも想いをはせつつ、お楽しみください(しみじみ


ミタヒツヒト
かなり現実に根ざした作品ですからね、色々ありました。
そう、「佐倉ユウナの上京」は、
他の超水道作品に比べて、ちょっとオトナな作品になっていますね。


蜂八憲
そうですね。


ミタヒツヒト
登場人物もそうだと思います。

――蜂八さん、超水道の他の作品の登場人物は、もっと年齢層が低いものですが、今回は「大学生」ということで、少し高めですよね。今作を他の作品と差別化しようと工夫された点などはありますか?




蜂八憲
そうですね。他作品との差別化という観点から、
ちょっと年齢層高めの作品にしよう、という想いはありました。
シナリオ執筆のお話を頂いた時、既存の超水道作品について、改めて考えてみたんですね。
当時、超水道がリリースしていたのは『森川空のルール』『ヴァンパイアハンターHIROSHI』シリーズだったと記憶しています。


ミタヒツヒト
そうでしたね。


蜂八憲
これらの作品群は、ミタさん、佐々木さんの特色がよく表れているように思いました。
そのなかで、
自分がどういった方向性で作品を書いていくべきか。二番煎じじゃ勿論ダメだし、お二人の色に見劣りしないような「蜂八憲」としての作品を書く必要がある、と強く思ったんです。
そうして、考えていくうちに、ミタさん佐々木さんと自分の違いは何か、と言う点にまず思考が向きました。


ミタヒツヒト
はい。


蜂八憲
自分は地方の出身で、いわゆる「上京」の経験がある。そして、「受験」というものに割と早い段階から放り込まれてきた、と。


ミタヒツヒト
なるほど。


蜂八憲
そうしたキーワードを洗い出して、作品のテーマの軸を「上京」「受験」に据えました。
また、
超水道作品に親しんでおられる読者の方々の年齢層(中・高・大学生)を考えても、「大学生活」「受験」というのは親和性があるのではないか、と思ったためです。


ミタヒツヒト
そうですね、特に大学生には身近な作品になったと思います。


ミタヒツヒト

――すずめさん、今回の登場人物たちは年齢が高いですよね。絵柄にそのあたり現れているのでしょうか。




山本すずめ
はい。『佐倉ユウナの上京』はいままでの僕の絵とは少し雰囲気が違うような印象を持つと思うのですが、
やはり登場人物の見た目なんかも意識して変えるようにしました。
実際のところは、年齢というよりも、さっきミタくんが言ったような「身近」というのを強くイメージしていますね。


ミタヒツヒト
身近、ですか。


山本すずめ
そうですね。
世界観的にも実際の地名が出てきたり、「どこかにいそう、ありそう」というような感覚を作品全体を通して感じていたので、
登場人物の服装ひとつとっても、なるべくリアルな物を目指して描きました。


ミタヒツヒト
服装の考証には時間を使いましたね…


山本すずめ
そうなんですよね。そのため蜂八さんにも、何度も何度もチェックをしていただきました。ありがとうございます…。


蜂八憲
こちらこそ、ありがとうございました…!
ファッション雑誌・サイトを巡り歩いたのも良い思い出です……


山本すずめ
蜂八さんの情報収集力が高くて助けられました!


蜂八憲
ビジュアルでいちばん苦労したのは、ユウナのイメージですね。


ミタヒツヒト
そうだったんですか。


山本すずめ
そうなんです…
ユウナちゃんは本当に難産で、
今まで描いてきたキャラクターの中で一番、苦労しました。
文章を読んでいる上では、動いているユウナちゃんがとてもよくイメージできるんですが、絵にしようとしたときに、僕の中でうまいこと飲み込みきれてなかったのかなと思います。


ミタヒツヒト
ギャップということでしょうか。


山本すずめ
ギャップ、と言っていいのか分からないですが、僕の絵はいつも(どちらかと言えば)アニメ的な絵柄が多いので、「リアルな絵柄に落とし込む部分」で慣れてなかったような感じですね。


蜂八憲
キャラクター的にも、
ユウナは「浪人生」「上京してきた地方女子」という設定で、色々な意味でグラデーションのかかった存在なので
そこらへんの、淡いイメージの擦り合わせを何度も行いました。


山本すずめ
その節は夜通しありがとうございました!


蜂八憲
ましたッ!


ミタヒツヒト
個人的に「ユウナちゃんをかわいくなくする」ことにお二人で苦悩されていたのが印象的でしたw


山本すずめ
そのあたりはかなりこだわってましたねw


蜂八憲
ですね!


山本すずめ
彼女は都会的じゃいけないんですよね。


蜂八憲
そうなんですよ
自分の経験と言うか、主観なんですが
上京したての大学生女子には大別すると3種類いると思っていて。


山本すずめ
ほう…


ミタヒツヒト
興味深い。


蜂八憲
おおまかに分けると、
”装面で完全武装して、渋谷原宿あたりへ繰り出すアクティブ女子
服装を新調したし、東京を廻ろう!とするのだけれども、服装と新しい街の雰囲気に慣れていない普通系女子
2燭鬚匹γ紊譴个いいわからないし興味もない、どこにも出歩かない無頓着女子
ユウナは、自分のなかでは△離ぅ瓠璽犬世辰燭鵑任后


ミタヒツヒト
なるほど。


山本すずめ
なるほどなるほど… 蜂八さんからこの話は聴いていませんでしたが、自分も的なイメージでした。


蜂八憲
そこそこお洒落な格好をしているんだけれども、服に「着られている」感が強い印象ですね。
すずめさんと自分の間で、
暗黙のうちにそういったイメージを共有できていたのも大きかったなと思います。


山本すずめ
ですね。


ミタヒツヒト
そういったリアルを作品に落としこむ作業が、今回はとても綿密に行われていましたね!
まぁ、超水道作品は女の子を「かわいくなくする」作業と一緒に行われるので、多かれ少なかれ、そういう部分はいつもありますが。


蜂八憲
かわいさの濃度をどこに設定するか、というのは重要ですよね。


山本すずめ
でもそういう「かわいくない」部分があるからこそ、魅力的なキャラにもなるんじゃないかと自分は思いますね。


蜂八憲
僕もそう思います。


ミタヒツヒト
超水道はこれからもヒロインをかわいくなくすることに邁進して参ります。みなさま応援のほどよろしくお願いします。
読者の皆さんにも、その努力の成果を感じて頂ければと思います!
ではでは、お話は少し変わって音楽のこと。


山本すずめ
はい


ミタヒツヒト
今回は、真島こころさんが素敵な楽曲を提供してくださっているわけですが。
ずばり、お二人ともお気に入りの曲はありますでしょうか!




山本すずめ
あります!
というか、本当にどれも素敵なのでイマイチ決めづらいのですが、僕は春の#2で流れるあの曲が、好きですね…


山本すずめ
なんでしょう、すごく言語化しにくいのですが…「佐倉ユウナの上京」というのをよくあらわしているといいますか。
あんまり言うとネタバレになりそうなので控えますが、彼女の気持ちだったり、いろいろな感情がよく感じられる気がしますし、
曲調的にもどこか切なさを感じられて、すごくいいなぁと思います。
また物語の文章を読みながら一緒に流れるといいんですよ!


ミタヒツヒト
ですね…!


蜂八憲
音楽と文章がしっかり噛み合うと強いですよね…!


ミタヒツヒト
それが、ノベルの強みですね。


山本すずめ
本当に、素晴らしい強みですね。


蜂八憲
真島さんの楽曲は、どれも本当に良かった。
僕のお気に入りの曲なんですが、
春の#6で流れる曲が、いちばん好きです。


ミタヒツヒト
なるほど!して、どのあたりが。


蜂八憲
先ほども少し触れましたが、文章と音楽の調和というところですね。
春の#6はしんみりしっとり、ちょっと苦い感じのシーンなのですが
そういった距離感の湿度や、シーンの情景、もろもろを的確に描き出して頂けたように思います。
すずめさんのイラストも相まって、個人的に一番好きなシーンでもあります。


山本すずめ
春の#6の曲もいいですよね…僕も結構好きです。
そのちょっと苦い感じがとてもいいシーンですし、イラストもやりたい放題できたというか、一番ノリノリで制作できた気がしますw


ミタヒツヒト
イラストもいいですからね、春の#6は。


山本すずめ
音楽と文章がとても良いので…本当に相乗効果という感じですかね。


蜂八憲
ですね。全章にわたって真島こころさんの楽曲で彩られていますので、プレイ後のサウンドテストもお楽しみの一つだと思います。


ミタヒツヒト
では、次の質問は、制作のスタイルに関して。
――お二人ともスクリプトを触れる知識をお持ちなので、ミタは非常に仕事がしやすかったわけですが、お二人ともご自分が手がけた部分で、特に気を遣った部分はありますか?




蜂八憲
自分の場合、一番気を遣ったのは、文章を読み進めるための「タップ指定」や「改ページ指定」のタイミングですね。
一回のタップでどれくらいの文のまとまりを表示させるのか。また、一ページにどれだけの文量を表示させるのか。


山本すずめ
蜂八さんが本当にこだわって指定されているのが、デバッグしていても分かるんですよね…


蜂八憲
デンシノベルということで、形態的には「本を読む」感覚に近いとは思うのですが、
一方で、一覧性という点に関しては、紙媒体の本にはやはりかなわないわけで。


ミタヒツヒト
そうですね。


蜂八憲
一ページ、というよりは基本的に一文ずつ文章を追っていく形になるので、
文章のリズム感、文の表示量のバランスに苦心しました。
つながりが悪いな、と感じたところは適宜文章の修正を行ったりして
なるべく読みやすいように、指定を行いました。
「上京」は長編ですから、なおのこと。


ミタヒツヒト
手作業で、地道な作業なんですよね。でも、大事なことですね。


山本すずめ
この部分をしっかりやるかやらないかで、読みやすさだったり、読むときに感じる印象が全然変わりますからね。


ミタヒツヒト
すずめさんの方はいかがでしょう。


山本すずめ
僕は全体的な手触りを結構意識しましたね。
今作から、超水道のアプリにもスクロールメニューが導入されたんですけど、


ミタヒツヒト
スクロールメニューとは?


山本すずめ
はい、スクロールメニューは、その名のとおり、指で上下にスワイプ?(スクロール?)することで見れるメニューのことでして。
情報が一つの画面に収まりきらないときに、上下にはみ出してても、指で画面を動かすことで見れるようになるんです。




蜂八憲
TwitterのTL(タイムライン)のような感覚に近いですね。


山本すずめ
それです!


ミタヒツヒト
直感的でなめらかな操作ができて、見栄えと機能性を両立させたカタチになりましたね!


山本すずめ
そうなんです。
本当に、それをいかに気持ちよくスクロールできるか!というところに躍起になっていましたw


ミタヒツヒト
調整には時間をかけていましたね。


山本すずめ
はい。スクリプトはWindows上で開発しているんですが、パソコンでテストプレイするときと、iPhone等で実際に動かすときとでは、少しずつ挙動が違うので。
そこはしっかり、実際の状況で気持ちいい動きを確かめました。


ミタヒツヒト
自分も触りましたが、慣性の感じが気持ちよくなっていると思いますよ。


蜂八憲
同感です。すずめさんのエンジニア魂を見ました。


山本すずめ
ありがとうございますw
そう感じて頂けてよかったです!


ミタヒツヒト
担当上、自分は見ていただけですが、本当にお疲れ様でした。
今回の制作スタイルはなかなかおもしろい形で、文章→絵→音楽が、それぞれ前のものが完全にできあがって、最後に一気にプログラムに組み込み、という形で制作しましたね。
 すずめさんは、イラストとプログラムという役職を同時にこなしているわけで、そういったスタイルだとやっぱり助かるものでしょうか?


山本すずめ
うーん…そうですね、
結果的には助かった、と思います。
いつもだったら、シナリオとイラストと音楽とプログラムが相互的に完成していくので、
「あ、こんな場面があってこんな表現がされているんだ!」とか
「次の曲はこんな感じなのかー!」といったように
お互いの反応の中で自分の創作が生まれていくという感覚だったのですが、
逆に今回は、完全にシナリオのイメージから膨らませて膨らませて、突き詰めていく感じだったので、そういう意味ではいつもとは別の意味で濃いものになりましたし、
イラストが終わってから頭をカッと切り替えてプログラム作業が出来たので、効率はそれなりによかったように思います。
「佐倉ユウナの上京」だからこそ、だったかもしれませんね。


ミタヒツヒト
というと。


山本すずめ
作品の雰囲気として、ボツネタのときのような「勢い」という感じよりは、落ち着いたものがありますし、
あまり色んなところに意識が向かないで、ひとつの物事に集中できたことが、リアルさみたいなものを深めていく上で大事だったような気がします。


蜂八憲
イラストに関してはシナリオの全体像が出来あがっているぶん、そこから一括してどんどん指定を飛ばしていく感じでしたものね。


山本すずめ
そうですね。


蜂八憲
音楽の指定についても同様ですが、そのぶん、すずめさんのおっしゃったように、
密度の高いものにできたように思います。


ミタヒツヒト
リテイクも細かく重ねて、本当に濃密なものになりましたね。
作品の中のリアルさ、というか、存在感に本当に気を遣った作品づくりになっていると思います。
蜂八さんは物語の登場人物たちと同じく、九州からの上京を経験しているわけですよね。
物語の中の描写、そしてその存在感に、それは活かされているのでしょうか。




蜂八憲
そうですね。活かそうという意識はもちろんありましたし、実際に活かすことができたように思います。


ミタヒツヒト
それは例えば、どんなところでしょうか。


蜂八憲
いちばん分かりやすい描写でいうならば、ユウナの「方言」でしょうか。


ミタヒツヒト
なるほど!


山本すずめ
ユウナの「方言」はとても印象的ですよね。


蜂八憲
実を言うと、自分のなかでもキャラクターに方言を喋らせるか否か、というのは、設定段階で正直迷いました。
作中のキャラクター、ユウナは“福岡県出身”ということで
地元の方言を出すようにしているのですが、
その際、不安だった点としては、
多くの人にとってあまり親しみのない「福岡の方言」を文章として落とし込んだ時に
果たして、イメージがつかんでもらえるだろうか、ということでした。
アニメや漫画なんかでよく出てくる方言としては、例えば関西弁なんかがありますね。


ミタヒツヒト
そうですね、関西弁はしばしば耳にします。


蜂八憲
主観ですが、創作における関西弁は、多種多様な方言のなかで、いちばん市民権を得ている方言だと思うのです。
どの地方の人が関西弁を聞いても、ある程度の共通認識を抱くことができます。
それは例えば、方言独特の言い回し、言葉自体の意味だったり、イントネーションだったり。
そういった諸々の要素が、受け手の側に蓄積されているぶん、
文章に落とし込んでも自然と読み進められると思うのですが、
「福岡の方言」といって、「ああわかるわかる」となる人は、正直なところ少ないと思います。
関西弁と同じ精度で、読者に届けられるか? それに及ばずとも、一定のイメージを湧かせることができるか? というのは、シナリオを書く上でもかなり気を遣いました。
その点では、ミタさんとすずめさんに逐一チェックしていただいていてましたね。


ミタヒツヒト
「佐倉ユウナの上京」は、春夏秋冬に分かれていますが、個人的には夏あたりでみんな違和感ゼロになってくれたらいいな、という風に思っています。


山本すずめ
そういえば確かチェックしましたね…!
個人的には、ユウナちゃんの方言はものすごく気にいっている点なので
「福岡の方言」に馴染みがある方は少ないかもしれませんが、佐倉ユウナといえば…という風になってくれたら、とてもいいですね。


蜂八憲
そうですね。
方言はキャラクターの造形において
強力な武器であると同時に、扱いにくいという特性も孕んでいるんですよね。
さっきは、方言の「圏外」の方々に意図やイメージが届くか、という話でしたが
逆に「圏内」の人たちに届くか、という問題もあります。
地方にお住まいの方は分かるかたも多いのではないかと思いますが、
例えば「福岡方言」と一口に言っても、県内で言い回しが微妙に違ったりすることは多々あるんですよね。


山本すずめ
なるほど…


蜂八憲
県内でも方言がほとんど出ないところはありますし
逆にものすごくなまっている地域ももちろんあります。
余談ですが、
県内の各地域から生徒が集まる学校だったりすると
入学して最初の頃は、地域ごとの独特の言い回しが飛び交ったりして
同じ「福岡方言」を話しているはずなのに「日本語でおk」と言い合う事態が発生するわけですw


山本すずめ
それは面白いですねw


蜂八憲
そこらへんの不一致は、時間が経つにつれて自然と融合したり、淘汰されて均質化してはいくのですけれどね。


ミタヒツヒト
なるほど、東京育ちには想像のむずかしい世界です。


蜂八憲
方言に関しては、そんな感じですね。ともあれ、「こういう世界もあるのか〜」と物語のアクセントとして楽しんで頂けたら幸いです。
「佐倉ユウナの上京」では、
全章を通して、ちょくちょく地方ネタも出てくるので、そういった点についても「へー」と眺めて頂ければと思います。
上京においては、作中における「地方」の要素ももちろんですが、
上京したキャラクターたちから見た「東京」の風景も
ひとつの特色なのかな、と思います。
関東にお住まいの方から見た「東京」と、それ以外の地方から出てきたそれとでは、映り方がまた違うと思うので。


ミタヒツヒト
そうですね、そういった描写が各所に見られるシナリオだったと思います。
製作期間が長いぶん、本当に色々な部分にこだわった作品になりましたね。
このクオリティと密度を夏・秋・冬も維持していきましょう!


蜂八憲
頑張っていきましょう!


山本すずめ
はい!


ミタヒツヒト
それでは最後に、「佐倉ユウナの上京」について、この記事を読んでくださっている方に向けて、一言どうぞ。


山本すずめ
佐倉ユウナの上京は、これから受験をむかえる人や、今現在大学生の人、さらにはそれらを経験してきた人にとって、よりリアルで、身近な作品に仕上がっていると思います。
壮大なファンタジーではないけれど、そこにはまた違った「佐倉ユウナの上京」なりの面白さがあります。
今回は春の章だけですが、夏・秋・冬とまだまだ物語は続いていきますので、
音楽と、そしてイラストとともに、ゆっくり、最後まで楽しんで頂けたら幸いです。




ミタヒツヒト
長い話、ながいリリースですもんね!急がずゆっくり楽しんでいただけるといいですね!
では、蜂八さんもどうぞ。


蜂八憲
すずめさんもおっしゃいましたが、「佐倉ユウナの上京」は、春夏秋冬・四部構成のストーリーとなっています。鷹司とユウナ、そして彼らを取り巻く人々の人間模様を楽しんで頂けたらと思います。文章だけではなく、音楽・イラストとともに紡ぎあげられた世界観に、まったりと浸ってください。そうして楽しんで頂けたのなら、これに勝る喜びはありません。これから年の瀬まで約半年間、お付き合い頂ければ幸いです。


ミタヒツヒト
自分も、この企画に総括の立場で関わることができて嬉しく思っております。
ミタヒツヒトでは決して描けない物語を、この記事を読んでいるみなさんも楽しみにして頂ければ嬉しいです。
それでは、長くなってしまいましたが、これにて終わらせていただきたいと思います。
お二人とも、お忙しい中ありがとうございました。


山本すずめ
ありがとうございました!


蜂八憲
ありがとうございました!





おわり

---------
著作・制作
超水道
---------

■以下、いま現在

……さて、そんなわけでこの度の対談、お楽しみ頂けたでしょうか。
個人的には、これから半年におよぶ苦難が待ち受けていたり二週間そこらでノベルスフィア移植&GPS実装をしたり128ページの画集を作ったりすることは頭の隅っこにすらなく、ただただ希望と達成感に満ちあふれている辺りが初々しくて最高だな、と思ったりしております。

読んでいただいて分かるかと思うんですが、そう、半年前から制作に関する情熱は全く衰えていないのですよ!そう!大事なのはそこなんです!
引き続き、秋そして冬が控えておりますが、そんなことは関係ない!寒くなってきた今日このごろでありますが、アツく苦しく楽しく制作してまいりますので、これからも応援をよろしくお願い申し上げます!

ではでは、また!


author:ミタヒツヒト, category:-, 18:26
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